高齢者施設の防火について 関連記事二件 [火災]
火災を発生させないソフト面の指導強化と地域での共存が必要では・・・・・・・・・・・・・
高齢者施設、設備費用が重荷の防火
3月15日0時26分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100313-00001061-yom-soci
札幌市北区の認知症高齢者グループホーム「みらいとんでん」で13日未明に発生した火災は、自力で逃げることが難しいお年寄り7人の命を奪った。
国は、過去の同種施設での火災を受けて、防火設備の設置基準を強化するなど改善に取り組んできたが、現場で十分な措置が講じられているとは言い難い。繰り返された惨事は、改めて重い課題を突きつけた。
◆消防計画未提出、点検報告もせず◆
「ハード面では(法令上の)問題はなかったと考えるが、点検の報告、計画の未提出という2点で法令違反があると認識している」
札幌市消防局予防部の東海林亨指導課長は、火災後の記者会見でそう指摘した。
消防法は、グループホームに、消火器や誘導灯などを点検した結果について年1回、消防署に報告するよう義務づけている。しかし、市消防局によると、「みらいとんでん」は3年半にわたり報告していなかった。
また、昨年4月の改正法令施行により、施設側は防火管理者を選び、コンロや暖房器具、喫煙の管理方法などを記した消防計画を作る必要があったが、これも怠っていた。同消防局は昨年5月の立ち入り調査でこれらの点を口頭で指導したが、防火管理者の選任以外は改善されなかったという。
今回の火災は、福祉施設で防火設備設置が進んでいない現状も浮き彫りにした。
改正法令では、2006年の長崎県大村市でのグループホーム火災を受け、消防設備の設置条件を強化。施設面積にかかわらず、自動火災報知設備と、ボタンを押すだけで119番通報できる装置の設置を義務づけた。スプリンクラーの設置義務も、1000平方メートル以上から275平方メートル以上の施設に拡大した。ただ、自動火災報知設備は約80万円、119番装置は約70万円の費用がかかる上、いずれの設置も法的猶予期間が12年3月末とされたため、さほど普及していない。
札幌市内のグループホーム232施設のうち、新たな消防用設備が必要なのは199施設。自動火災報知設備は26施設、119番装置は68施設、スプリンクラーでは160施設がそれぞれ未設置のままという。「みらいとんでん」でも、自動火災報知設備はなく、各居室に簡易な住宅用火災警報器を設置して対応していた。
同消防局は今回の火災を受け「猶予期間中だが、できるだけ早く設置するよう施設を指導したい」とする。
関係者によると、出火当時、「みらいとんでん」にいた高齢者8人のうち、自力で歩けたのは2人程度。職員は当直1人で、避難行動はほとんどとれなかったとみられる。
福祉住宅に詳しい野村歡(かん)・国際医療福祉大教授は「消防計画を提出せず、消防用設備の点検報告もしていなかったとしたら、ゆゆしき問題だ」と批判。「宿泊を伴うすべての社会福祉施設や高齢者・障害者の共同住宅は、消防用設備をもっと整備すべきで、夜間の職員も2人は必要。施設運営者はもっと火災予防に真摯(しんし)に向き合ってほしい」と話している。(北海道支社 中山詳三、野依英治)
ホーム火災避難、地域との連携なしには困難
3月15日0時28分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100313-00001034-yom-soci
「深夜に火事が起きたら、自分1人で入居者9人全員を避難させることができるのか。正直不安です」
岡山県内の認知症高齢者グループホームの女性施設長(33)はそう語る。職員は施設長を含めて7人。入居者9人はほとんど寝たきり状態で、車いすの移動介助が欠かせない。
少人数の家庭的な雰囲気が認知症ケアに適しているため、グループホームの入居人数は5~9人が基本。国の基準では、入居者9人に対し1人以上の夜勤職員配置を義務づけている。岡山県の女性施設長の施設では、日中に職員を3~4人配置すると、夜勤は1人が限界。火災時には職員に電話で応援を頼み、部屋のベランダなどから1人ずつ避難させるというマニュアルはあるものの、「認知症の人は普段と違うことが起きるとかなり動揺する。誘導は相当難しいはず」という。
一方、東京都内でグループホームを運営するNPO法人代表(62)は「体調が特に悪い入居者がいない限り、夜間なら9人の入居者を職員1人で世話することはできる。2人以上配置しても、火災時に職員だけで寝たきりの人を避難させることは難しい」と話す。ホームでは、地域住民をイベントに招いて入居者の様子を知ってもらったり、近所の消防団長に万一の時の相談をしたりしており、「地域の力を借りられるよう日頃から付き合うことが重要」と強調する。
認知症の高齢者が暮らすグループホームは介護報酬と入居者からの居住費・食費などで運営されている。介護保険が始まった00年から08年までに施設数は約14倍の約9300か所、利用者数は約24倍の13万人以上になった。認知症高齢者は現在の208万人から30年には353万人まで増えるとされ、グループホームのニーズはさらに高まる。
特別養護老人ホームは自治体や社会福祉法人などにしか開設できないが、グループホームは民間企業やNPO法人などでも参入可能だ。国の調査では、グループホームの事業者の半分以上は民間。1人あたりの居室面積の基準も4・5畳と、ケアハウス(13畳)や特養(個室の場合8畳)より狭く、民家や会社の寮などの改修で開設できることも増えた原因とみられる。(社会保障部 野口博文、社会部 木下吏)
グループホーム=認知症の高齢者向け施設として、1980年代の北欧スウェーデンで発祥。認知症の高齢者を施設に隔離・強制収容する考えから脱却する過程での試行錯誤から生まれた。少人数で家庭的な環境の中、24時間ケアを受ける手法は、症状の重度化を防ぐ効果があるとされる。日本では90年代に導入され、97年度の制度化や2000年の介護保険制度発足を経て急増した。
高齢者施設、設備費用が重荷の防火
3月15日0時26分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100313-00001061-yom-soci
札幌市北区の認知症高齢者グループホーム「みらいとんでん」で13日未明に発生した火災は、自力で逃げることが難しいお年寄り7人の命を奪った。
国は、過去の同種施設での火災を受けて、防火設備の設置基準を強化するなど改善に取り組んできたが、現場で十分な措置が講じられているとは言い難い。繰り返された惨事は、改めて重い課題を突きつけた。
◆消防計画未提出、点検報告もせず◆
「ハード面では(法令上の)問題はなかったと考えるが、点検の報告、計画の未提出という2点で法令違反があると認識している」
札幌市消防局予防部の東海林亨指導課長は、火災後の記者会見でそう指摘した。
消防法は、グループホームに、消火器や誘導灯などを点検した結果について年1回、消防署に報告するよう義務づけている。しかし、市消防局によると、「みらいとんでん」は3年半にわたり報告していなかった。
また、昨年4月の改正法令施行により、施設側は防火管理者を選び、コンロや暖房器具、喫煙の管理方法などを記した消防計画を作る必要があったが、これも怠っていた。同消防局は昨年5月の立ち入り調査でこれらの点を口頭で指導したが、防火管理者の選任以外は改善されなかったという。
今回の火災は、福祉施設で防火設備設置が進んでいない現状も浮き彫りにした。
改正法令では、2006年の長崎県大村市でのグループホーム火災を受け、消防設備の設置条件を強化。施設面積にかかわらず、自動火災報知設備と、ボタンを押すだけで119番通報できる装置の設置を義務づけた。スプリンクラーの設置義務も、1000平方メートル以上から275平方メートル以上の施設に拡大した。ただ、自動火災報知設備は約80万円、119番装置は約70万円の費用がかかる上、いずれの設置も法的猶予期間が12年3月末とされたため、さほど普及していない。
札幌市内のグループホーム232施設のうち、新たな消防用設備が必要なのは199施設。自動火災報知設備は26施設、119番装置は68施設、スプリンクラーでは160施設がそれぞれ未設置のままという。「みらいとんでん」でも、自動火災報知設備はなく、各居室に簡易な住宅用火災警報器を設置して対応していた。
同消防局は今回の火災を受け「猶予期間中だが、できるだけ早く設置するよう施設を指導したい」とする。
関係者によると、出火当時、「みらいとんでん」にいた高齢者8人のうち、自力で歩けたのは2人程度。職員は当直1人で、避難行動はほとんどとれなかったとみられる。
福祉住宅に詳しい野村歡(かん)・国際医療福祉大教授は「消防計画を提出せず、消防用設備の点検報告もしていなかったとしたら、ゆゆしき問題だ」と批判。「宿泊を伴うすべての社会福祉施設や高齢者・障害者の共同住宅は、消防用設備をもっと整備すべきで、夜間の職員も2人は必要。施設運営者はもっと火災予防に真摯(しんし)に向き合ってほしい」と話している。(北海道支社 中山詳三、野依英治)
ホーム火災避難、地域との連携なしには困難
3月15日0時28分配信 読売新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100313-00001034-yom-soci
「深夜に火事が起きたら、自分1人で入居者9人全員を避難させることができるのか。正直不安です」
岡山県内の認知症高齢者グループホームの女性施設長(33)はそう語る。職員は施設長を含めて7人。入居者9人はほとんど寝たきり状態で、車いすの移動介助が欠かせない。
少人数の家庭的な雰囲気が認知症ケアに適しているため、グループホームの入居人数は5~9人が基本。国の基準では、入居者9人に対し1人以上の夜勤職員配置を義務づけている。岡山県の女性施設長の施設では、日中に職員を3~4人配置すると、夜勤は1人が限界。火災時には職員に電話で応援を頼み、部屋のベランダなどから1人ずつ避難させるというマニュアルはあるものの、「認知症の人は普段と違うことが起きるとかなり動揺する。誘導は相当難しいはず」という。
一方、東京都内でグループホームを運営するNPO法人代表(62)は「体調が特に悪い入居者がいない限り、夜間なら9人の入居者を職員1人で世話することはできる。2人以上配置しても、火災時に職員だけで寝たきりの人を避難させることは難しい」と話す。ホームでは、地域住民をイベントに招いて入居者の様子を知ってもらったり、近所の消防団長に万一の時の相談をしたりしており、「地域の力を借りられるよう日頃から付き合うことが重要」と強調する。
認知症の高齢者が暮らすグループホームは介護報酬と入居者からの居住費・食費などで運営されている。介護保険が始まった00年から08年までに施設数は約14倍の約9300か所、利用者数は約24倍の13万人以上になった。認知症高齢者は現在の208万人から30年には353万人まで増えるとされ、グループホームのニーズはさらに高まる。
特別養護老人ホームは自治体や社会福祉法人などにしか開設できないが、グループホームは民間企業やNPO法人などでも参入可能だ。国の調査では、グループホームの事業者の半分以上は民間。1人あたりの居室面積の基準も4・5畳と、ケアハウス(13畳)や特養(個室の場合8畳)より狭く、民家や会社の寮などの改修で開設できることも増えた原因とみられる。(社会保障部 野口博文、社会部 木下吏)
グループホーム=認知症の高齢者向け施設として、1980年代の北欧スウェーデンで発祥。認知症の高齢者を施設に隔離・強制収容する考えから脱却する過程での試行錯誤から生まれた。少人数で家庭的な環境の中、24時間ケアを受ける手法は、症状の重度化を防ぐ効果があるとされる。日本では90年代に導入され、97年度の制度化や2000年の介護保険制度発足を経て急増した。
2010-03-15 09:13
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